ゾンカ環境の構築

Windows Vista、Windows 7用のゾンカ環境構築の手順を解説する。(Windows10は標準でゾンカ対応しているので、以下の手順は不要です。2016年3月現在、DDCのゾンカ環境に関するページにはいくつか修正が入っており、このページの記述は古くなったりリンク切れしている部分があるので修正中です)
DDC公式サイトには同じことが英語で画面写真入りで解説されているので、それに従っても問題ない。ただ、公式サイトは、あっちこっちに同じファイルがあったり、文字とアイコンで別々のファイルにリンクが貼られていたりしているので、慎重に作業を進めないと変なところでつまずいてしまうので注意。検証していないが、Windows 8でも特に問題はないはずだ。ちなみに、Windows XPでもゾンカ処理は可能だが、Unicodeフォントの扱いなどが違うため、ゾンカを扱うための準備作業がいろいろ面倒になる。

 1)必要なフォント、ツール類のインストール

DDC公式サイトのITセクションツール類ダウンロードページから以下のファイルをダウンロードしてPCにインストールする

フォントの準備

Dzongkha Font Sample

上の4つがDDCが配布しているもの。下の2つはWindowsで一般的に使われるチベット語フォント。

DDC Uchen(活字体)、DDC Wangdi(筆記体)、DDC Rinzin(活字体)、Jomolhari(活字体)の4書体。なお、Windows標準のMSPゴシックなどでもゾンカの表示は可能(※この場合、実際にはMicrosoft Himalayaが代替フォントして自動的に選択されるているようだ)。しかし、Windowsのゾンカ(チベット語)フォントには他のフォントとの相対的なサイズや文字のベースラインがおかしいといった問題があり、一般的な利用では特に理由がなければDDC Uchenを使うのが無難。

≪操作解説≫

  1. DDC公式サイトのDzongkha tools for UnicodeページからDzongkha Fontsをダウンロードする。このさい、フォルダの形をしたアイコンの方をクリックする。
  2. ダウンロードファイル(DzongkhaFonts.zip)は圧縮されているので解凍すると、Dzongkha Fontsというフォルダができ、中に上記4書体(True Type形式)とDruk Corners Fontというフォルダができる。後者は実際には文字フォントではなくデザイン用の記号なのでとりあえず無視してよい。
  3. 4書体のファイルをWindowsのフォントフォルダ(通常はC:\Windows\Fonts)にコピー&ペーストする

ゾンカ・ロケールの準備

ロケールというのは言語ごとに違う文字の扱いなどを吸収するための仕組み。ゾンカはランゲージパックにしてもらえなかったのでこの作業が必要。なお、ロケールのインストールは次のゾンカキーボードのインストールより先に行わなければならない。

≪操作解説≫

  1. DDC公式サイトのDzongkha tools for UnicodeページからDzongkha Localeをダウンロードする。このさい、PCの形をしたアイコンの方をクリックする。
  2. ダウンロードファイル(DZ-BT-Local.msi)はWindowsのインストーラになっているので、そのまま実行する。
  3. インストーラが起動したら、順番に「next」アイコンをクリックしていけば完了する

キーボードの準備

ゾンカ文字の入力を行う場合には以下の作業が必要になる。なお、ゾンカ文字は基本的には1音節1字で、1字は複数の子音と母音の組合せになっている。キーボードの1つのキーは子音、母音などの文字のパーツと対応しており、1文字を構成する文字要素(子音や母音)を順にキー入力していくことで1文字が入力できる。日本語でいうと、キーがそれぞれ部首に対応していて、複数の部首を連続して入力することで漢字一文字が入力できる、といったイメージだ。

≪操作解説≫

Language Bar

ゾンカキーボードをインストールすると、言語バーで入力言語を選択できるようになる。

  1. DDC公式サイトのDzongkha tools for UnicodeページからDzongkha Keyboard for Windowsをダウンロードする。
  2. ダウンロードファイル(DzongkhaKeyboard-Win.zip)を解凍する。
  3. DzongkhaKeyboardというフォルダができるので、その中の「setup.exe」を実行する。
  4. 特になんの操作もなくインストールが完了する。ここまでの作業が問題なく行われていれば、Windowsの言語バー(IME)の左端に「JP」という文字が現れる。※すでに日本語以外の言語を追加している場合には、当然ながらゾンカ・ロケールをインストールする前から「JP」が表示されている
  5. 「jp」をクリックするとメニューが表示され、「OL:Dzongkha(Bhutan)」が選択できる。※キーボードの言語はアプリケーションごとに切り替えることができる。

ここまでの作業でゾンカ文字の入力が可能になるが、日本語キーボードでは、ゾンカ入力に切り替えた状態で、どのキーがどの文字に対応しているかはわからないので、少なくともゾンカ・キーボードのキー配列の図が必要になる。キーボード配列にはDzongkha tools for UnicodeページのDzongkha Keyboard Layout DiagramにPDF形式の配列表がリンクされている。

しかし、配列表を見ながら入力していくというのは、現実的にはほとんど不可能。ゾンカの入力にはSHIFTキーもそれなりに多用すること、ローマ字と違って同じ子音でも文字のどこに配置されるかによって入力キーが変わることから、キーと文字の対応は日本語のローマ字入力よりかなり複雑になる。早い話が、スクリーンキーボード(画面上にキーボードが表示され、クリックで入力できる)を使うのがおすすめだ。スクリーンキーボードは「スタート – すべてのプログラム – アクセサリ – コンピュータの簡単操作 – スクリーンキーボード」で起動できる。起動・選択された状態でロケールをゾンカに切り替えると、スクリーンキーボードのキー表示がゾンカに変わる。

ゾンカ・キーボード配列

ゾンカ・キーボード配列のWindows標準スクリーンキーボード

ゾンカの辞書ソフト

DDCはオンライン版も含めて何種類かの辞書ソフトを公開(無償配布)している。すべてチェックした結果、いちばん便利なのはGolden Dictionaryというフリーの辞書ソフトのデータ形式に合わせて、ゾンカーゾンカ、ゾンカ-英語(2002年発行の冊子版と同じもの)、英語ーゾンカ(2006年発行の冊子版と同じもの)がセットになっている。

≪操作解説≫

  1. 【GoldenDictのパッケージが更新され、Ver.2を利用できるようになり、ダウンロードページなども変更になったので、以下修正しました201603/10】DDC公式サイトのDigital Dzongkha Dictionaries: GoldenDict with Dzongkha Version 2ページの“Download GoldenDict with Dzongkha Setup”をクリックしてGolden Dictionary with DDC Dzongkha dictionaries (dz-dz, dz-en, en-dz)をダウンロードする。
  2. ダウンロードファイル(GoldenDict_Dzongkha_v2.zip)を解凍して、GoldenDict_Dzongkha_v2.exe(GoldenDictとゾンカの辞書がセットになったインストールプログラム)を実行する。
  3. GoldenDict with Dzongkha v2.0 Installationのダイアログが表示されるので、指示にに従ってインストールを行うとDDCの4種類の辞書がセットされたGoldenDictがインストールされる。※ver.2ではチョケ(古典チベット語文語)-ゾンカが追加されている

しかしながら、DDCの辞書はゾンカ-英語、英語-ゾンカともに見出し語の選択にかなり偏りがあり、一般的なゾンカの文書を解読しようとしてもみつからない単語が頻出する。また、特に宗教用語にはチベット語からの借用語も多い。GoldenDict形式のチベット語-英語辞書Rangjung Yeshe Tibetan dictionaryもついでに入れておくとなにかと便利である。

≪操作解説≫

  1. Degital TibetanのトップページのリンクからDictionariesのページに移動し、ここからGoldenDict – online and offline Tibetan dictionaries combinedに移動する。
  2. ページ中程のInstallation of local dictionary dataの項目にRangjungYeshe2003.dictRangjungYeshe2003Uni.idxRangjungYeshe2003Uni.ifoの3つの辞書ファイルへのリンクが貼ってあるので、これをブラウザの「リンク先のファイルを保存」を使ってダウンロードする。
  3. GoldenDictがインストールされたフォルダ(デフォルトではC:\Program Files(x86)\GoldenDict)の中にあるcontentというフォルダの中に、適当な名前(たとえば“Tibetan Dictionaries”とか“RangjungYeshe”)のフォルダを新規作成する。
  4. 作成したフォルダにダウンロードした辞書ファイルをコピーまたは移動する。
  5. GoldenDictを起動し、メニューの「Edit – Dictionaries…」を選ぶ。
  6. Dictionariesのダイアログが開くので、Dictionariesタブを選ぶ。
  7. 左側のDictionary orderに、DDCの辞書とRangjungYesheが並んでいるのを確認して、Groupsタブに切り替える。
  8. 「>」を使って「Rangjung Yeshe 2003 Uni]を「Dzongkha」グループに追加する。
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